石綿障害予防規則が改正されました。工事前の調査、届出の義務化、漏洩防止の強化、隔離作業(負圧なし)の追加、石綿含有成形品に対する措置の強化、作業の記録の保存、発注者の配慮義務化など多くの改正点があります。それぞれの改正は施行の時期がバラバラとなるため、工事や設計の計画段階から、施行を実施する時期を考慮して対応していく必要があります。
改正内容が多いため今回は隔離を要する作業に係る措置について掲載します。
隔離(負圧は不要)を要する作業に係る措置の新設
けい酸カルシウム板を切断等する場合の措置 令和2年10月より
石綿含有成形品のうち、けい酸カルシウム板を切断等の方法で除去する場合は、ビニルシート等で隔離し、常時湿潤な状態に保たれなければならないとされました。
アスベストが含まれた成形板でけい酸カルシウム板は特に切断や破砕した場合に、アスベストが発散しやすいものとされました。けい酸カルシム板は軒天やトイレやお風呂の天井に使用されています。使用された期間も長いためみなしで作業することも多いので注意が必要です。
仕上げ塗材を電動工具を用いて除去する場合の措置 令和3年4月より
石綿を含有する仕上げ塗材を電動工具を用いて除去する作業を行う時は、作業場所をビニルシート等で隔離し、常時湿潤な状態に保たれなければならないとされました。
仕上げ塗材は吸引器付きのサンダーなどで除去することもあります。電動工具の使用はアスベストが飛散されるため、隔離と湿潤化必要です。
石綿障害予防規則改正について(その2)届出制度の拡大について
石綿障害予防規則改正について(その3)負圧を要する作業について
石綿障害予防規則改正について(その4)隔離を要する作業の新設(負圧は不要)現在のページです。